【直腸癌は疫学的に異なるカテゴリーに属する】
直腸癌とは、直腸の粘膜から発生した腫瘍で、転移する能力を持ったものです。60歳台が最も多いのですが、新肛門手術を受けにこられる方では、20歳代や30歳代の方も少なくありません。また、直腸癌は一般的に男性に多いといわれていますが、特に若い方では、女性のほうが多いように思われます。
大腸癌は結腸癌と直腸癌をあわせて呼ぶ言葉ですが、日本では近年、食生活の欧米化に伴い、大腸癌の患者さんが増加しています。(というより、昔は、日本には、大腸がん患者さんがほとんどおりませんでした。ですから、日本は、大腸癌の天国と呼ばれたりしていました。)
近年の大腸癌の増加状況を詳しく検討すると、実に、増加しているのは結腸癌で、直腸癌の発生状況は昔とほとんど変わっていません。(なぜか、直腸癌は、昔から、日本での発生率は欧米並みに高かったのです。)
難しい表現になりますが、結腸癌と直腸癌は疫学的に異なるカテゴリーに属するといえます。
【the web 大腸・肛門・骨盤底疾患スペシャル】