【MRSA腸炎】
MRSAとは、抗生物質に耐性を獲得した黄色ブドウ球菌の略語です。抗生物質を多用されるようになって病院の中で増えてきた黄色ブドウ球菌だと、いわれています。確かに、抗生物質を使いすぎる傾向にある大病院のほうに多いかもしれません。
しかし、そういう時代になった今となっては、どこにでもいる菌だと、考えておいたほうがいいですね。入院してくる前の患者さんの鼻やどのを検査するとすでにMRSAがいることが良くありますからね。
MRSAもその他の菌も基本的には同じなのですが、体の抵抗が弱くなた場合に、初めて、病気を出してくるのです。ですから、健康な人は、恐れる必要がないのですね。
とはいえ、MRSAによる腸炎になると大変で、重篤化することがあります。
胃がんの手術などで胃を取ってしまった方に多いと言われています。それは、胃酸がないので胃液でMRSAの菌をブロックできないからだといわれています。
病院に入院していて、抗生物質を大量に使われていて、急に大量の下痢を起こし、それも、少しクリーム色がかった緑色の水様便おこしたら、まず、MRSA腸炎を疑わなければなりません。すぐ、この病気を疑えるかどうかが、命の分かれ目になることが多いのですね。
輸液をしっかりおこない、不必要な抗生物質をやめ、バンコマイシンなどの効く抗生物質を慎重に使うことになります。
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